サンドバック

元夫はASDだったんじゃないかと思う。

チェック項目を見せて、調べて欲しい。と言ったことがある。

私が困っていた。彼は特性があるから、こうなんだ。と理由づけをしたかったからだ。

でも、本人は困ってない。何が?という感じ。結局調べるには至らなかった。

私達は恋愛結婚ではあったが、本当の意味できちんと向き合わないまま結婚してしまった。

結婚後、「?」と思ったことはいくつかあるが…。

結婚前からわかっていた事の一つに、吃音があった。

それも、結構の重症だ。まずは、名前を名乗れない、言葉が出ずに「☓☓☓…。」「あ゙あ゙あ゙…」と、吐息のようなものしか出ない。従って電話の応対が難しい。

なぜ今まで家族や周りの人が、医療機関の受診や、その症状について話題にしたりしなかったのか、不思議でならなかった。

本人が、どうにかしたいと思っていないことも不思議だった。

今にして思うが、彼は人と親身になれない。家族とも親身でない。だから、彼には友達が多く見えたけど、肝心なことは誰とも共有しないのだ。

私が、困っていることに対しても、親身になれない。

体調の事、2人の子どもの事、将来の事も、

絵に書いたような当たり前の事以外は興味が持てない。

それでも私は、2人で生きていきたかったし、まずは吃音をどうにかしてあげたいと思った。

これこそ私が傲慢だったんだと、離婚してから今ならわかる!

どうにかしてあげたいなんておこがましい。

彼は吃音に悩んではいたけれど、心からどうにかしたいとは、思っていなかったんだ。

私が見つけて通いだしたクリニックは、60万円程のコースだった。

彼は、必死になっている私のために通いだしたんだろう。

だから、訓練にはそこまで真面目には取り組まなかった。

私は必死になって、夫のやる気を引き出し、褒めて、なんとかコースをこなさせた。

結果、かなり症状はよくなったが、吃音は完全には消えなかった。

私は、電話の応対や自分の名前をスムーズに言えれば、成功!と考えていたので満足だった。

でも彼は、そこまで嬉しそうでもなかったし、私に対してありがとうという雰囲気もなかった。

後に新聞で、彼と同じ様な吃音の症状に悩まされている男性の手記を読んだ。障害者手帳がつくレベルだ。彼に「読んで見て!」と伝えたが、他人事のように「へー」という反応だけだった。

全く彼の心が見えないというか、一緒に歩いている感じがしなかった。

それでも、彼を大事に思っていたし、どうにかしたいと、心をノックし続けた。

私は彼に、要求し続けた。とにかく必死にあがいていた。

彼も私に応えようとしたんだと思う。

間違っていても、意に添わなくても、私の言う通りにしてくれた。

だから、破綻したんだろうなーと、自分の人生を残念に思う。

幸せじゃなかったわけじゃないけど、もっと方法があったんじゃないかな。

サンドバックを必死に叩きたいのに、全くかすらない。

それが永遠に続く感じ。わかりますか???

それが、私と元夫の結婚生活。

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