母のこと

お母さん変、病院に行こう——その一言で、私は2年間、家族の敵になった

同居するつもりだった。両親もそのつもりだった。離婚して、子どもたちを連れて実家に戻る。それが自然な流れだと思っていた。でも、うまくいかなかった。実家で、母が変わっていった実家にいると、母が変なことを言うようになっていた。私の物がなくなった、...
母のこと

あれも前兆だったのかな——母の変化を、今さら振り返る三つの記憶

認知症の診断が出てから、私はよく「あのときから変だったんだ」と思い返すことがある。でも当時は、そう思えなかった。ひとつひとつは小さくて、「まあそういうこともある」で終わってしまっていた。今になって並べてみると、全部つながっていたのだと分かる...
母のこと

母が赤ワインをシンクに流した日——あれは前兆だったと、今なら思う

あの頃の母は、よく怒っていた。理由がよくわからない怒り方をすることが多かった。お金のこと、食事のこと、父のこと——何かにつけて、ぷりぷりしていた。当時の私には、理由がわからなかった。実家はお金に困っていなかった。母にも自由になるお金があった...
父のこと

「黙って死ぬのを見ててくれ」——施設の話ができないまま、時間が進んでいく

「黙って死ぬのを見ててくれ」父がそう言ったとき、私は黙っていた。何を言っても無駄だと思った。反論する言葉も、慰める言葉も、出てこなかった。ただ、そうは言っても、呼ばれたらのこのこと行くんだろうな——と、少し嫌な気持ちになった。施設の話ができ...
父のこと

父のゴルフと、何度もかかってくる電話——介護する人にも、息をする時間が必要だ

父がゴルフを始めたのは、50歳のときだった。それまでは仕事一筋で、趣味らしい趣味はパソコンくらいしかなかった。ゴルフを始めたのは、母の病気が発覚するより前のことだ。今から思えば、その頃から少しずつ始めていたことが、結果的に父の唯一の逃げ場に...
父のこと

認知症の妻に怒鳴られる夫——それでも怒らない父を見て、私が思うこと

「汚い男だ」母がそう言ったのを、私は聞いた。認知症になってから、母の言葉はときどき刃になる。長年連れ添った夫に向かって、信じられないような言葉を投げつける。「こんな人といても仕方ない」「出て行け」——そういう言葉が、日常の中に混ざってくる。...
父のこと

父が限界だったあの日——ぎっくり腰でも「大丈夫」と言い続けた人のこと

母が手首を骨折したのは、ある夕方のことだった。転んで骨を折った。病院で処置してもらって、ギブスをした手で帰ってきた。でも母は、そのことをすぐに忘れてしまう。痛みでハッとして、父に「手が痛い」と訴える。父が説明する。また忘れる。また訴える。そ...
父のこと

父の一日——認知症の妻と二人きりで過ごすということ

父の一日は、朝5時半に始まる。まず犬の散歩。まだ薄暗い時間に、リードをつけて外に出る。帰ってきたら、朝食の準備。卵を割って、味噌汁を温めて、ご飯をよそって。母はそのうち自分のタイミングで起きてくる。そして、まるで自分で準備したかのように食卓...
介護サービス

離れて暮らす親の介護、どう見守る?「おやとこ」という選択肢

母が一人で家にいる時間が、心配でたまらない。私は離れて暮らしている。父は同居しているが、仕事や通院で外出することもある。そういうとき、認知症の母が一人で何時間か過ごすことになる。何かあっても気づけない。転んでも、薬を飲み忘れても、誰かに連絡...
介護サービス

テレビの音が大きすぎる認知症の親——ミライスピーカーを試してみた

実家に帰るたびに、テレビの音がものすごく大きい。母が難聴になったのは、認知症の診断よりも前のことだ。補聴器を勧めても「うるさい、合わない」とすぐ外してしまう。だからテレビの音量がどんどん上がっていった。父も「これくらいじゃないと聞こえないみ...
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