介護の知識

母の世界と、私たちの世界は、違う。——弟が、席を立った母の後ろで言った言葉。

母が席を立ったわずかな時間に、弟が言った。「お母さんの世界を理解できるのは、やっぱりプロだと思う。」週に3日、夕飯の配食がある。それ以外の日は、弟が夕ごはんを買ってきてくれることが多い。約束はしていない。でも、なんとなくそうなっている。母は...
介護の知識

認知症の親に「正しいこと」を言ってはいけない。父が教えてくれた、その理由。

その日、食卓は和やかだった。母はいつになく機嫌がよく、楽しそうにしゃべっていた。認知症になってから、こういう時間がだんだん貴重になってきた。私と弟は、ただその時間を壊さないようにしていた。昼食の場だった。みんなで食べながら、昼ごはんの話をし...
介護の知識

特養の申請を、父が怖がる理由。それは正しい怖さだと思う。

朝、母にデイサービスの日だと伝えると、決まってこうなる。「行かない」プイッと顔をそむけて、ものをガシャンと置く。扉を激しく閉める。「なんで行かなきゃいけないの」「もう行かない!」でも、迎えのピンポーンが鳴ると——何事もなかったかのように、バ...
介護の知識

父が倒れる前に動きたい。要介護1でも、特養の申請をすすめた理由

「介護、できる?」と詰められたら、私はなんと答えるだろう。たぶん「無理」と言ってしまうと思う。でもそれを口に出す勇気が、今の私にはない。知り合いのAさんの娘は、言い切った。看護師にもケースワーカーにも「本来あなたが見るべきです」と言われた。...
母のこと

「払ってあげるから安心して」と何度も言った母が、払わなかった日のこと。

認知症の母が何度も「払ってあげる」と電話してきた。でもいざとなったら払わなかった。それは嘘でも意地悪でもなかった。幼少期の貧困体験と認知症の深層心理から、母の言動を読み解いた実体験の記録。
母のこと

認知症の母がお金を隠す——どこに隠したか、どう対応したか

家計の財布がない。「また始まった」と思いながら、心の中でため息をつく。最初は「とってやる」という宣言だった母が財布を隠すようになったのは、認知症の診断から3年ほど経った頃のことだ。といっても、突然始まったわけではない。それより前から、母は折...
母のこと

「脳腫瘍であってくれ」と祈った日——母の認知症診断、私はその場にいなかった

リビングのテーブルに、一枚の紙が置いてあった。病院名と、母の名前と、診断名。誰も「結果を見てほしい」とは言わなかった。ただそこに、ぽんと置いてあった。やっぱり、と思った。声には出さなかった。最初に気づいたのは、食卓だった実家に立ち寄ったとき...
母のこと

認知症介護で限界を感じたとき——私が自分を保つためにやっていること

実家から帰ると、自分の家のご飯が作れない。それが限界のサインだとわかってきた。お風呂、3人でのシェア、そして「行かない」という選択。介護で自分を保つために、私がやっていること。
母のこと

ケアマネさんに電話した日——言いにくくても、声を上げてよかった

母の面談にはいつも母が同席する。父はその場で何も言えない。でも私は知っていた——父が入院したことも、母の攻撃性も。怒られると知りながら、ケアマネさんに電話した日のこと。
日々のこと

認知症の母への母の日——花を届けて、迎えに走って、夜はセブンだった

母の日に花を買って実家に向かったら、母はいなかった。手紙を添えて置いてきて、夕方には迷子騒動。花には触れてもらえなかった。それでも来年また行こうと思う、そんな一日の記録。
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