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記憶。

母の記憶はどんどんとこぼれ落ちていく。

短期的記憶は弱くなり、道徳的思考のようなものがなくなっていく気がする。

両親は、父が仕事を辞めて個人事業主の形で少し仕事をしていた定年後から、父が家計を管理するようになっていた。月々決まった額を父からもらってその中でやりくりをする。母も長くパートをしていたが、そのお給料は全て自分で管理していた。父は、お小遣いという形で家計からいくらか毎月自分の口座に入れていたそうだ。

普通のことだ。そして、両親は準富裕層だ。母も父もしたい事がこれから沢山出来るはずだ。

母は機嫌が悪くなると、「お父さんは、お金に汚い。家で仕事をして、家にある物を食べているのに、お小遣いをもらうのはおかしい。買い物に行って家計のお金で食料品を買うなんて信じられない。自分のお金で買うべきだ。」「お父さんは、◯万円も毎月おろしている」「お父さんがお金をくれない」父は、仕事をしていないし、お小遣いはそんなに沢山はもらっていない。なぜなら、母が認知症になり、自由に出掛けたりは出来ないからだ。

私は、お金の事で悪口を聞く事が、一番辛い。事実ではないからだ。そして、お小遣いをもらって何が悪い。今まで沢山働いたのに自分の自由になるお金ぐらい欲しいと思う。父は浪費家ではないし、お酒やギャンブルもしない。

でも、そんな正論は言えない。

母は病気だ。アルツハイマー型認知症。

病気が言わせている事だから。相手にしてはいけない。でも、適当な事を言うとバレてしまうし、「あんたもお父さんと一緒ね!」と大いに機嫌が悪くなる。

一番良いのは、「そうなんだ。」「そうなの?」と、絶妙な相槌を打ち、気が済むまで言いたい事を言ってもらう。そして、全く違う話をぶち込んで母の興味を引く!これに限る。

そしてまた忘れてしまう。

娘が小学校を卒業したことも、あっという間に忘れてしまう。もちろん、何度でも何度でも、何度でも!伝える。それでも忘れるけど(笑)

私たちはは、こぼれ落ちる記憶を拾い続ける。

しかし、父は拾い続けることに疲れてしまっているようだ。

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