幸せの貯金

母は働き者で、家事はスーパー早くて完璧だった。

多忙な父の駅までの送迎、帰りは深夜だった。

それでも翌日は早朝に起き私たちの弁当を作ってくれ、日中はパートをしていた。

祖父母との同居中は、周りの方から実の親と間違われるほど、朗らかに世話をした。

祖父のことは、母が看取った。

父は、祖父の介護中も子どもの私からしたら、何もしていない様に見えた。

もちろん、仕事が多忙でする暇がなかったと理解出来たから、

子ども心に仕方ないんだ。と思っていた。

疲れてイライラすることもあったけど、怒ったり、明るかったり、人間らしい母だった。

でも、基本明るかったし、裏表ない態度だったし、私は母が好きだった。

父とは、不仲とは全く思わなかったし、いつも賑やかな家だった。

母は、アルツハイマー型認知症になった。

父に対して相当意地悪だ。

それでも、黙って母の言う通りにして、父は世話を焼いている。

あんまり酷いので、父に対して「平気なの?」と言う気持ちで娘として見てしまう。

親の介護も黙ってしてもらったし、家族のこともさんざん支えてもらったから、

どんなになっても放ってはおけない。

父の言葉だ。

でも、お母さん、お父さんにあんまり可哀想な事していると、

「幸せの貯金」そこをついちゃうよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました
このサイトはアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しています。