レカネマブ(レケンビ)とは?費用・効果・対象を介護家族がわかりやすく解説

介護の知識

「レカネマブ(レケンビ)ってどんな薬?」「費用は? 誰が使えるの?」——アルツハイマー型認知症の新薬が気になって検索した方へ。この記事では、効果・対象・副作用・費用(自己負担額)を、介護中の家族の目線でわかりやすくまとめます。

母がアルツハイマー型認知症と診断されて、もう何年になるだろう。

なんか変だ。と思ったけど、物忘れは誰にでもあると自分に言い聞かせていた。

進行を止められないとわかっていても、新しい情報が出るたびについ調べてしまう。そんなとき「新薬が承認された」というニュースを目にした。

今回は、話題の新薬「レカネマブ」について、介護家族の目線でまとめてみた。

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そもそもレカネマブって何?

レカネマブは、エーザイとバイオジェンが共同開発したアルツハイマー型認知症の新薬。日本では2023年9月25日に承認され、同年12月20日に「レケンビ(Leqembi)」という名前で発売(保険適用)された。

これまでの認知症の薬は「症状を和らげる」だけだった。でもレカネマブは違う。アルツハイマーの原因とされる「アミロイドβ」というタンパク質を脳から取り除く、世界初の根本治療に近い薬だ。


効果はどのくらい?

臨床試験では認知機能の低下を約27%遅らせる効果が確認されている。

「27%って少ない」と思う人もいるかもしれない。

でも、27%もある!とも思った。

アルツハイマーで進行を「遅らせる」薬が出たこと自体、本当に画期的なことなのだ。


誰でも使えるの?

残念ながら、誰でも使えるわけではない。対象は**「初期段階」のアルツハイマー患者のみ**。進行してしまった段階では使えない。使う前にアミロイドβを確認する特別な検査も必要になる。

母は長谷川式で18点。対象かどうかは、微妙なところだ。


副作用や費用は?

副作用として「ARIA」という脳の微小な出血・浮腫が起きることがある。定期的なMRIで経過を見ながら使う。

費用は年間約298万円。保険適用はされるが、それでも高い。

ただ、「年間約298万円」という数字だけ見て諦めてしまうのは、ちょっと待って。レカネマブ(レケンビ)は保険が適用されるうえ、高額療養費制度があるので、実際に窓口で支払う自己負担額はもっと少なくなる。

たとえば70歳以上で一般的な所得の方なら、外来の自己負担の上限はおおよそ年14万4,000円程度。所得区分によって変わるので、正確な金額は病院の窓口や自治体(高額療養費の窓口)で確認してみてほしい。「高い」と諦める前に、自分の場合の自己負担の実額を知っておくと、判断がしやすくなる。

この病気になって、旅行や遊びにも行けなくなり、老後の預貯金の使い道が少なくなった。だったら、治療に使ってみては?と私個人は思ってしまった。


他にも新薬はある?

2024年9月には、同じ仕組みの新薬「ドナネマブ(製品名:ケサンラ/Kisunla)」も日本で承認された。臨床試験では、18か月で認知機能の低下を約29%抑えたと報告されている。これはレカネマブ(レケンビ)とは別の薬で、こうして選択肢が増えてきていること自体、確かな前進だと思う。


新薬どうしを比べてみた(レカネマブ/ドナネマブ早見表)

レカネマブ(レケンビ)と、あとから承認されたドナネマブ(ケサンラ)。どちらも「アミロイドβを取り除く」同じタイプの新薬です。どこが違うのか、わかる範囲でならべてみました。

項目レカネマブ(レケンビ)ドナネマブ(ケサンラ)
開発・販売エーザイ/バイオジェン日本イーライリリー
日本での承認2023年9月(同年12月発売)2024年9月
仕組みアミロイドβを取り除く同じくアミロイドβを取り除く
効果(臨床試験)認知機能の低下を約27%抑制18か月で約29%抑制
投与方法点滴(2週間に1回)点滴(4週間に1回)
対象早期(軽度認知障害〜軽度)のアルツハイマー早期(軽度認知障害〜軽度)のアルツハイマー
主な副作用ARIA(脳のむくみ・微小出血)ARIA(脳のむくみ・微小出血)
薬価(年間の目安)約298万円 ※高額療養費で自己負担は軽減投与回数などで変動 ※同じく高額療養費の対象
※対象・投与方法・費用は制度改定や個々の状態で変わります。実際の適応は必ず主治医にご確認ください。

【2026年の新しい研究】「シミの種」が見つかった

レカネマブやドナネマブは、脳にすでにたまってしまった「シミ」(アミロイドβという物質の塊。専門的には老人斑と呼ばれます)を取り除く薬です。でも2026年、その一歩手前——「そもそもシミを作らせない」ための研究で、新しい発見がありました。

2026年7月、国立精神・神経医療研究センターなどの研究チームが、脳にシミができるいちばん最初のきっかけになる物質を見つけたと発表しました。「peak 1 Aβ(ピークワン・エービー)」と名づけられた、シミの“種”のような物質です。

これまで、脳の中でどうやってシミがたまり始めるのかは、はっきりわかっていませんでした。その「始まりのスイッチ」が見つかったことで、シミができてしまう前に、種の段階で止める——そんな新しい薬や予防法につながるかもしれない、と期待されています。

今の薬が「できたシミを掃除する」なら、この研究が目指すのは「シミを作らせない」。まだ動物実験などの基礎研究の段階で、すぐに治療に使えるわけではありません。でも、母のような人を一人でも減らすための研究が、今も前に進んでいる。そのことが、少しだけ心を明るくしてくれました。

よくある質問(レカネマブ/レケンビ)

Q. レカネマブの製品名は?
A. 日本での製品名は「レケンビ(Leqembi)」です。ドナネマブの「ケサンラ」とは別の薬なので、混同しないようにしましょう。

Q. 誰でも使えますか?
A. 早期(軽度認知障害〜軽度の認知症)の方が対象です。使う前にアミロイドβを確認する検査が必要で、進行した段階では使えません。

Q. 費用はいくら?自己負担は?
A. 薬価は年間約298万円ですが、高額療養費制度があるため、実際の自己負担は年十数万円程度から(所得によって変わります)。

Q. 副作用は?
A. ARIA(脳のむくみ・微小出血)が起こることがあり、定期的なMRIで確認しながら使います。

Q. 通院はどのくらい必要?
A. 点滴のため、定期的な通院が必要です。介護する家族の負担も考えて、主治医とよく相談しましょう。

介護家族として思うこと

新薬が出ても、母には使えないかもしれない。それでも、研究が進んでいることは素直に嬉しい。

月に一度、近くはない病院に通い、点滴治療。もしかしたら、血栓ができたり頭痛がしたり、副作用があるかもしれない。しかも、効くかどうかはわからない。1年間それを続けなければなりません。母はもちろんのこと、介護を一人でしている父が担うには重すぎるかもしれません。リスクの割には、得られるものがあるかもしれないが、無いこともある。担当医は、はっきりとは言わないが総合して「勧めない」と言っているように聞こえた。

同じように家族の介護をしている方に、少しでも役立てたら嬉しい。

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※この記事は医療アドバイスではありません。治療については必ず医師にご相談ください。


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