ハッピーセット ① 

母とは、18歳を過ぎた頃から友達の様な関係になった。

家は父の両親が同居し、私が就職した頃には、だんだんと介護という影が迫っていた。

そんな中、仕事の悩みをきいてもらったり、母の話を聞いたり、一緒に買い物に出かけたり…。

私は母との時間が本当に大好きだった。

でも今思えば、家のことは全て母に任せ、自分の仕事のみに全力投球な娘だったし、

母とっては、友達どころか、手のかかる娘の相手までして、本当に大変だっただろうし、

我慢をたくさんしてきたんじゃないかと思う。

そんな娘時代、私はキティちゃんが大好きだった。

2000年頃、マックのハッピーセットで、

お仕事コスプレをしたキティちゃんとダニエルくんがおまけに付いてきた。

発売日に購入に行かないと、売り切れてしまうほどの人気だった。

私は自分が行けないので、母にお願いした。母も私が喜ぶのでニコニコしながら買ってくれた。

何体あったか覚えていないが、コンプリートしていたとは思う。

結婚で実家を離れたとき、それらは自分の部屋に置いてきた。

元来片付け魔で捨てる事も多い母だったので、実家に帰ると「片付けるか、捨てるかして」

とよく言われていたが、のらりくらり、そのままになっていた。

私にも子どもが出来、娘を連れて実家へよく遊びに行った。

もと私の部屋のぬいぐるみに興味を示した娘に、母は「持って帰りなさい」と渡していた。

娘はとても喜んでいたが、一番遊んだのは、その後誕生する5歳離れた次女だったかもしれない。

この出来事は日々通り過ぎ、重要にも思っていなかった。何も考えてなかった。

私は、次女に遊び尽くされてボロボロになったキティちゃん達を引っ越しをするタイミングで捨てた。

母に捨てる事を断ったかどうか、正直私は覚えてはいない。

まさか20年以上たってこの事で、

あんなにも責められる事になるとは思わなかった。

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