ハッピーセット ②

毎日母は、なにかしらで怒ったり、自分の寝室にあるものを窓から投げたりした。

庭に散らばった寝室のモノ達の中に、あのハッピーセットのキティちゃんもあった。

母が窓から投げ落としたものを、次女が父と一緒にせっせと片付けた。

コレは1回ではなく一日に数回、そして毎日続くのだ。

仕事から帰ると両親が言い合っているのが聞こえた。

私も呼ばれて、「たくさんあったキティちゃんが無い!」と怒鳴られた。

「どこにやったんだ!」と父までも私に罵声を浴びせた。

母に断りもなくキティちゃんちゃんを処分した事について

数日にわたって両親に説教された。

母は、自分が東京に出てきた時にコツコツと集めた大切なものなのに、許せない!

子ども達には、ママは何でも捨てるから、あんた達も捨てられるわよと何度も言った。

普通に考えておかしいのに、父は私を責めた。

いくら謝っても本当の事を説明をしてもわかってもらえないし。

まぁ、処分したことは事実だから仕方ない。でも、キティちゃんは私のものだったのに。

父は「お母さんがこう言ってるから」と、全て母の言うなりだった。

母が上京した1975年頃にハッピーセットはないし、

2000年に発売されたものだ。

事実を画像と共に伝えたが、父も母も聞く耳を持たなかった。もうお手上げだった。

たかがキティちゃん、されどキティちゃん。

怒っている時の母と、私を見る父の顔が、私を心底恨んでいるように見えた。

離婚しようとしていて、私が実家を乗っ取ると思っているのか。

そんな事出来るわけない。それこそ私のキャラじゃない。

別居すると言った時は、ここに居れば良い、部屋は余ってる、と言ってくれたけど。

本当は違ったのかな。

そもそも全ては、私の人生設計の甘さが招いた事なのかもしれない。

母がこうなったのは、自分のせい。そんな気がしてならなかった。

本当に本当に、つらい時期だった。

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