Instagramを見ていると、「認知症にならないために」という投稿が流れてくる。
つい、見てしまう。
そして、「しないほうがいいこと」を、ひとつずつストックしてしまう。
母が認知症だからだと思う。自分も、なるんじゃないか。その不安が、指を止めさせる。
この記事では、そんな投稿をつい読んでしまう私の気持ちと、調べてわかったことを書く。
自分の脳が心配になった日のことは、認知症は、症状が出る何十年も前から始まっているに、私が続けていることは、娘に「ボケたら許さないから!」と言われた私がやっていることに書いた。今回は、その間にある「不安」の話だ。
「1つ目」と、大きな字で出てくる
よく見るのは、白衣の先生が話している動画だ。
画面に、大きな字で「1つ目」と出る。そのあとに、食べものの名前が続く。
1つ目があるということは、2つ目も、3つ目もある。見るたびに、「しないほうがいいこと」が増えていく。
食べもののこともあれば、習慣のこともある。細かくは覚えていない。でも、なんとなく「これはダメらしい」という気持ちだけが、残っていく。
好きなものが入っていると、「やっぱり」
「しないほうがいいこと」の中に、自分の好きなものが入っていると、「やっぱり」という気分になる。
私の場合は、甘いものだ。
母も、甘いものが好きだった。だから余計に、「やっぱり」が重くなるのだと思う。
やめなきゃ、とは思う。
でも、私はお酒も飲まないし、友だちと遊びに行くこともない。甘いものまでやめるのは、難しい(笑)。
「自分もなるんじゃないか」と思うとき
不安になるのは、自分がもの忘れをしたときだ。
それと、気持ちがいっぱいいっぱいのとき。物事をいろいろな方向から見られなくなって、仕事で気づくべきことに、目が向かなかったとき。
そういうとき、母の姿が頭に浮かぶ。
母に思うことは、自分にも当てはまる
母には、健康に気をつけすぎて機嫌が悪くなるより、好きなものを食べて、穏やかにいてほしいと思っている。
それは、自分にも当てはまると思う。
だから、甘いものは、適度に。
ただ、気をつけていることがある。ストレスがたまると、ポテチや甘いものに手が伸びる。
だから、食べものを我慢するより、そっちに目が向かないように、自分の気持ちを整えたい。
8月に書いた「感情に蓋をしない」も、たぶん同じところにつながっている。
調べてわかったこと——答え合わせ
国の言う「予防」は、「ならない」ことではなかった
まず驚いたのは、国の認知症の方針に書かれていた「予防」の意味だ。2019年に国がまとめた「認知症施策推進大綱」には、こうある。
「予防」とは、「認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「認知症になっても進行を緩やかにする」という意味である。
そして、発症を遅らせられる可能性があるものとして、こう挙げられていた。
運動不足の改善、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病の予防、社会参加による社会的孤立の解消や役割の保持等
(出典:厚生労働省「認知症施策推進大綱」令和元年6月18日)
「ならないために」と思って読んでいたけれど、国の言う「予防」は、「ならない」ことを約束するものではなかった。
減らせる可能性があるのは、14のこと
海外の医学雑誌「ランセット」の専門家委員会は、2024年の報告で、認知症の危険を高める14のことを挙げている。ふだんの言葉にすると、こうなる。
- 若いころに学ぶ機会が少なかったこと
- 耳の聞こえにくさ(難聴)
- 目の見えにくさを、治療しないままにしていること
- 高血圧
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高いこと
- 糖尿病
- 肥満
- 運動不足
- たばこ
- お酒の飲みすぎ
- うつ
- 頭のけが
- 大気汚染
- 人とのつながりが少ないこと(社会的孤立)
この14がすべてなくなれば、将来の認知症の45%は、防いだり遅らせたりできる可能性がある、とされている。ただしこれは、社会全体で見たときの推計だ。ひとりひとりの危険が、そのまま45%下がるという意味ではない。
(出典:鳥取県「最新の研究結果:認知症予防は中年期(45~65歳)から始めることが大切」/Alzheimer Europe「2024 Lancet Commission underscores the potential for dementia risk reduction」)
Instagramでは食べものの話ばかりが目に入るけれど、14の中には、耳や目、人とのつながりも入っている。8月に老眼のことを書いたのも、この14を知ったからだった。
それに、14を全部なくしても、45%。なるかどうかは、自分の努力だけで決まるわけではないのだと思う。
始めどきは、中年期
鳥取県のページの題は、「認知症予防は中年期(45~65歳)から始めることが大切」だった。本文には、こう書かれている。
認知症予防は高齢期になってから始めるよりも、中年期から早めに始めておくことが大切だということです。
(出典:鳥取県「最新の研究結果:認知症予防は中年期(45~65歳)から始めることが大切」)
私は50代。ちょうど、その真ん中にいる。
年相応のもの忘れと、病気のもの忘れ
健康長寿ネットの「もの忘れ」には、年をとれば誰でももの忘れをするようになる、と書かれている。そして、年相応のもの忘れの例として、こんなものが挙げられている。
置き忘れ、ど忘れ、立ち上がった途端に用事を忘れる
うっかりミス、勘違い
こうしたもの忘れは、あとで思い出せたり、忘れたことに本人がはっきり気づいていたりする。一方で、病気のもの忘れは、自分がした経験そのものが残らない忘れ方をする、とある。
(出典:健康長寿ネット「もの忘れ」)
私のもの忘れは、たぶん、年相応のほうだと思う。忘れたことに、ちゃんと気づいて、落ち込んでいるから。心配なときは、早めに医療機関へ、とも書かれていた。
甘いものは、「控える」と書かれていた
正直に書くと、健康長寿ネットの「認知症予防のための食事とは」には、ポイントのひとつとして「間食、糖分を控える」とあった。
ただ、同じページには、菓子類や菓子パンなど中心の食事について、こうも書かれている。
これらの食品の過剰摂取は控え、適度な摂取に留めることがすすめられます。
「ゼロにしなさい」ではなく、「適度に」。私が自分で決めたことと、同じ言葉だった。
予防は、食べものだけではない
健康長寿ネットの「認知症の予防」には、ポイントが3つ挙げられている。運動をすること、食事に気をつけること、社会的な活動に参加すること。
趣味を持つこと、料理をすること、社会の中で役割を持つことが認知症予防につながります。
(出典:健康長寿ネット「認知症の予防」)
「しないほうがいいこと」を集めるより、「していること」を数えたほうがいいのかもしれない。私は仕事をしているし、50代になってパソコンを覚えて、このブログを書いている。
まとめ——不安は、なくならない
母を見ているかぎり、「自分もなるんじゃないか」という不安は、たぶんなくならない。
だから、これからも「認知症にならないために」を、つい読んでしまうと思う。
でも、ストックを増やして、自分を責めるのはやめたい。
甘いものは、適度に。気持ちは、整える。
母に願っていることを、自分にも、少しだけ許してあげたい。
※この記事は医療アドバイスではありません。心配なことがあれば、かかりつけ医にご相談ください。
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