認知症は、症状が出る何十年も前から始まっている——母を見て、自分の脳が心配になった日

介護の知識

※この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。詳しくはこちら

「ボケないでよ。ボケない努力をしてほしい」

娘にそう言われた。半分冗談、半分本気の顔で。

母がアルツハイマー型認知症だ。だから娘は知っている。認知症がどういうものか、家族がどれだけ消耗するか。その上で、私に言った。ママはボケないで、と。

笑いながら答えたけど、内心ではちょっとドキッとした。

私の頭は、いつもお節介だ。仕事のこと、子どものこと、母のこと、父のこと。全部を頭の中に置いたまま、一日が終わる。考えることをやめられない。「時間を無駄にしない人の習慣」という本を読んでいて、自分の脳はお節介でオーバーヒートしそうだと思った。このままだと自爆するんじゃないか、と。

そして、ふと怖くなった。70代になったとき、私も認知症になるんじゃないか、と。

脳の中で、何が起きているのか

母を見ていて、ずっと疑問だった。なぜ財布をどこに置いたか忘れるのか。なぜ指示されると怒るのか。なぜ同じことを何度も言うのか。

調べてわかったのは、これは「意地悪」でも「怠け」でもないということだ。

アルツハイマー型認知症では、まず海馬という部分が傷んでいく。海馬は「新しい記憶の入り口」だ。ここが壊れると、さっきのことが記録されない。財布をどこに置いたか、そもそも「置いた」という記憶が作られないから、思い出せるはずがない。

次に前頭葉が萎縮していく。前頭葉は「感情のブレーキ」だ。怒りや不安をこらえる力、相手に合わせる力、先を読む力。それが効かなくなる。だから指示されると反射的に怒る。だから同じことを繰り返す。だから「面倒くさい」が先に出る。

母が意地悪になったわけじゃない。長年抑えてきたものが、フィルターなしで出てくるようになっただけだ。

怖いのは、症状が出る20年前から始まっていること

調べていて一番驚いたのがここだ。

アルツハイマー型認知症は、物忘れなどの症状が出る20年以上前から、脳の中で変化が始まっているという。つまり、70代に症状が出るとしたら、50代の今の生活がすでに関係している。

遺伝的な要因がゼロではないとも言われている。でもそれより大きいのは、生活習慣だという。具体的には、こういうことが脳を守るらしい。

厚生労働省の事業として運営されている情報サイトでも、認知症は「発症する何十年も前から脳の変化が進み、徐々に明らかになる病気」と説明されている(若い頃からの認知症予防|ヘルスケアラボ)。だから、50代の今の生活が無関係ではない、ということだと思う。

睡眠。これが一番大きいと言われている。寝ている間に、脳の老廃物が洗い流される。睡眠不足が続くと、アルツハイマーの原因物質が溜まりやすくなる。

運動。有酸素運動が海馬を大きくするという研究がある。歩くだけでもいい。毎日でなくてもいい。続けることが大事らしい。

人との会話。脳は使われないと衰える。誰かと話す、笑う、考えを言葉にする。それだけで脳への刺激になる。

好奇心。新しいことを学ぼうとする気持ちが、脳の神経回路を増やすという。本を読む、何かを調べる、知らないことに触れる。それでいい。

運動と認知症の関係については、国立長寿医療研究センターも研究成果を公開している。専門的な内容だけれど、「歩くことが脳にいい」と言われる根拠がここにある。

介護をしていると、こういうことを調べる時間も体力もない。疲れ切っているのに、分厚い本を読む気にはなれない。でも知っておきたかった、と思う。

じゃあ私はどうするか

大それたことは何もできていない。

でも娘に言われた日から、なるべく寝るようにした。ブログを書くことも、脳を動かすことだと思うようにした。考えすぎる頭を、少しだけうまくなだめながら、もう少し長く使い続けたい。

オーバーヒートしそうな脳と、うまく付き合っていくしかない。

👉 その後、私が実際に続けていることは 娘に「ボケたら許さないから!」と言われた私がやっていること——胡桃と、よもぎ茶と、感情に蓋をしないこと にまとめました。

※この記事は医療アドバイスではありません。心配なことがあれば、かかりつけ医にご相談ください。

📋 介護保険外のサービスについて、まず相談してみる

デイサービスだけではカバーできない時間帯の付き添いや家事サポートは、介護保険外のサービスで対応できることがあります。「こんなことも頼めるの?」という小さな疑問も、気軽に相談してみてください。

▶ 介護保険外の訪問介護・通院付き添いなら「イチロウ」に無料相談(完全無料)


📖 あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました