母の「味付け肉」の記憶。認知症になる前の話

母のこと

今日は、実家には寄らない。そう決めて娘と帰宅した。

家事をして、シャワーを浴びようと準備している時、母からの電話が来た。

「いまどこにいるの?」と母。「家だよ」と言うと、声色が不機嫌になる。

今日は配食サービスの日なのに、味付け肉を解凍してしまったらしい。

それを私にくれる。という雰囲気だ。

来て欲しいと言われたわけではないが、来て欲しいんだろうと察した。

私は、次女に留守番を頼んですぐに実家に向かった。

母は、機嫌悪く私を迎えた。もう味付け肉の事は忘れてしまっているようだ。

「お母さん、お肉貰いに来たよ」といえば良い。

でも、今の母は、自分から言ったことでないのに

物をあげる事は、後々心の引っかかりとなって、不機嫌の種になる。

だから、言わない。

とりとめのない話をして、母の気持ちが楽になればよいのだが、

そう簡単ではない。うまくいく時もあれば撃沈する日もある。

次女を置いてきていると気付き母が、「だめじゃない、早く帰りなさい。」

と言って、1000円くれた。「アイス買って帰りなさい」と母は言う。

「あの人とはやっていけない。もう疲れたわ」

と父との生活に疲れたと言う。

元気な時の両親は仲良しだった。母が不機嫌になることはあったけど。

父の事をこんなにも悪く言う事はなかった。

認知症になると、今まで思っていた本心がでるのだろうか?

全くその通りとは思わないが、違うとも言えない。

ほんの少しの負の感情が、理性の紐が緩んで

大きくふくらんでしまうんじゃないかな。

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