介護保険外サービスとは?費用と使いどころ——「すきま」に倒れそうな家族へ

介護サービス

デイサービスに行ってくれる日は、少しだけ息がつける。

でも介護は、デイのない時間にも、ちゃんと続く。

夕方、母の機嫌が荒れる時間。配食サービスがない日のごはん。病院への付き添い。デイが休みの日。——介護保険で使えるサービスは、こういう「すきま」を、ぜんぶは埋めてくれない。

私がこのサービスを調べ始めたのは、いちばん近くで介護している父の負担を、少しでも軽くできないかと思ったからだった。

そもそも、介護保険の「訪問」は45分しかない

意外と知られていないけれど、介護保険の訪問介護(生活援助)は、基本が「20分以上45分未満」か「45分以上」という時間区分で動いている。しかも「1回につき、家事はひとつ」が基本だ。

たとえば「買い物をお願いしたい」と頼んだとする。実際の流れはこうだ。

到着 → 何を買うか確認 → お店まで行く → 買い出し → 帰ってくる → 報告 → 買ったものをしまう。

——これで45分は、あっという間。むしろ足りないくらいだ。「ついでに、あれも」とはなかなかいかない。

介護保険は、とてもありがたい仕組みだ。でも、この「決められた時間・決められた範囲」からこぼれる用事が、家族には山ほどある。そのこぼれた部分が、いわゆる「すきま」なのだ。

介護保険外サービスってなに?

かんたんに言うと、介護保険を使わずに、自費でお願いする介護のサービスのこと。

介護保険のサービスは、いわば「決まったメニューの定食」だ。要介護度ごとに使える量や種類が決まっていて、その範囲でやりくりする。安く使える代わりに、融通はききにくい。

介護保険外サービスは、「好きに頼めるアラカルト」に近い。全額自己負担になる代わりに、「保険では頼めないこと」を、うちの都合に合わせて頼める

たとえば——

こんな「すきま」に使える

  • 通院の付き添い:病院まで一緒に行って、待合で待って、先生の話を一緒に聞いてくれる。仕事を休めない日に助かる
  • デイが休みの日、数時間だけの見守り:家族が用事で家を空ける間、そばにいてもらう
  • 夕方の、いちばん大変な時間だけ:機嫌が荒れやすい時間に、家族以外の人がいてくれるだけで、空気が変わることがある
  • 話し相手・散歩の付き添い:家族だと甘えや反発が出てしまうことも、他人だと素直に応じることがある
  • こまごました家事:介護保険のヘルパーでは頼みにくい範囲の家事も、自費なら柔軟に頼める

保険の「定食」で足りない一皿を、ここぞという場面で足すイメージだ。

費用の正直な話

いいことばかりではないので、正直に書く。

介護保険外サービスは、全額自己負担。料金はサービスや地域によって幅があるけれど、1時間あたり数千円が目安になることが多い。決して安くはない。毎日フルで使う、というのは現実的ではない。

だから使い方は、「ここぞの日に、数時間だけ」がちょうどいいと思う。通院の日、家族が倒れそうな日、どうしても家を空ける日。そういう「今日だけは無理」という日に、ピンポイントで頼る。そう考えると、ぐっと現実的になる。

うちの「すきま」の話

正直に書いておくと、日々の介護をしているのは、私ではなく父だ。母のそばでほとんどのことを引き受けているのは父で、私は仕事の合間に、できる範囲で手伝っているにすぎない。

だからこそ、そばで見ていて思う。父が抱えている「すきま」は、あまりに多い。

私は毎日は実家に行けない。行けない日、父がひとりで母と向き合っているのを思うと、胸がざわつく。かといって、私が父の代わりを完璧にこなせるわけでもない。

そんなとき、「家族以外の手を、お金で借りる」という選択肢があることを知った。父の代わりに、ではなく、父が少し息をつくために

うちはまだ、このサービスを使っていない。使うかどうかを決めるのは、いちばん近くで介護している父だ。でも、離れて支える私にできることがあるとすれば——「こういう方法もあるよ」と、選択肢をそっと差し出すことだと思う。

倒れないために手を借りるのは、逃げじゃない。介護を長く続けるための、まっとうな工夫だ。介護している人が倒れてしまえば、いちばん困るのは、介護される本人なのだから。

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どこに相談すればいい?

「介護保険外サービスを使いたい」と思っても、どこに頼めばいいのか分からない——これが最初の壁だと思う。

まずは、担当のケアマネジャーに「保険外で、こういう時だけ手を借りたい」と相談してみるのがいい。地域の事業者を知っていることが多い。

それとは別に、全国対応で、介護保険外のサービスを専門にしている会社もある。通院付き添いや見守りなど、「こんなこと頼んでいいのかな」という細かいことも、まず無料で相談できる。うちの都合に合わせて組んでくれるのが、保険外サービスのいちばんの強みだ。

よくある質問(介護保険外サービス)

Q. 介護保険と、どちらか一方しか使えないの?

A. 併用できます。保険サービスを使いながら、足りない部分だけ保険外で補う、という使い方が一般的です。

Q. 要介護認定を受けていなくても使える?

A. 使えます。介護保険外サービスは認定の有無に関係なく利用できるので、「認定はまだだけど手を借りたい」という段階でも頼れます。

Q. どんなことまで頼めるの?

A. 通院付き添い、見守り、話し相手、散歩、こまごました家事など、幅広く相談できます。「これは頼める?」と迷ったら、まず聞いてみるのがおすすめです。

Q. 費用が心配。まず何から?

A. いきなり契約ではなく、無料相談で「うちの場合、どのくらいかかるか」を聞くところからで大丈夫です。使う頻度を「ここぞの日だけ」に絞れば、負担はぐっと抑えられます。

最後に

介護は、長い。

一日無理をすれば、次の日に響く。今日の自分を守ることが、明日も介護を続けられる理由になる。

そのために、家族以外の手を借りることは、なにも悪いことじゃない。むしろ、いちばん近くで支えている人こそ、遠慮なく頼っていいのだと思う。

もし今、すきまに倒れそうになっている人がいたら。「こんなことで頼っていいのかな」の、その「こんなこと」こそ、頼っていいことなのだと、伝えたい。

そして、私のいちばんの願いは、両親が穏やかに過ごすことだ。

母は、残念ながら、いろんなことを忘れていく。だからこそ父には、母を支えるだけの毎日ではなく、自分の人生を楽しむ時間も、少しでいいから持ってほしい。母がずっと家族のために頑張ってきた人であるように、父もまた、頑張ってきた人なのだから。

介護保険外サービスは、そのための小さな一手になるかもしれない。そう思って、私は調べている。

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