認知症の親のセカンドオピニオン体験記。病院を変えることへの罪悪感は捨てていい

介護の知識

「この先生、何か違う…」と感じながらも、病院を変えることへの罪悪感から、なかなか踏み出せない——認知症の親の介護をしていると、そんな場面に直面することがあります。

今回は、母のアルツハイマー型認知症の治療でセカンドオピニオンを受けた体験を書きます。「本当に今の病院のままでいいのか?」と迷っている方の参考になれば。

なぜセカンドオピニオンに踏み切ったのか

母のかかりつけ医は、悪い先生ではなかったと思う。ただ、説明が足りなかった。

ある日、父が医者に「今回の薬は、以前より強いものと認識しても良いですか?」と聞いた。

返ってきた答えは「違う薬です」のひと言。

「違う」なら、どう違うのか。なぜ変えるのか。副作用は?——そういった説明が一切なかった。

認知症という病気は、患者本人だけでなく、介護をする家族全員に影響する。なのに、こちらが質問しなければ何も教えてもらえない。それが積み重なって、「一度別の先生の意見を聞いてみよう」という気持ちになった。

セカンドオピニオン当日——弟の工夫が光った

私は仕事で同行できなかったが、頼りになる弟が付き添ってくれた。

弟が考えたのは、父が医者と二人きりで話せる時間を作ることだった。母の前では言いにくいことも、隣にいなければ正直に話せる。このさりげない配慮が、診察の質を大きく変えた。

結果として、父も弟も新しい医者に好印象を持てた。理由はシンプルで、「きちんと説明してくれた」から。薬が変わる理由、今後の見通し、生活上の注意点——それだけで、こちらの不安がぐっと和らぐ。

「眠らせておこう」という言葉に感じた違和感

前の病院で言われた言葉がずっと引っかかっていた。

母が興奮しやすくなってきたとき、「眠らせておきましょう」と言われたのだ。

眠らせる。その言葉に、私はひっかかりを覚えた。認知症は病気だ。でも、病気の前に、母は人間だ。感情があって、好きなものがあって、思い出がある人間だ。それを「眠らせる」という表現で片付けることに、どうしても納得がいかなかった。

医者を責めたいわけじゃない。ただ、患者を「病気」としてではなく「人」として見てくれる医者を探したかった。セカンドオピニオンは、そのための行動だったのかもしれない。

病院を変えることへの罪悪感は、捨てていい

父は「次の予約をキャンセルしなくては。なんて話そうか」と気にしていた。前の先生に義理立てをしていたのだ。

でも、病院を変えることは、前の先生が悪かったということではない。より良い環境を選ぶための、当然の権利だ。特に認知症の介護は長丁場になる。「この先生なら任せられる」と思える医者との関係を、早めに作っておくことがとても大切だと感じた。

この日のおまけ——電動自転車、発見

セカンドオピニオンの日の夜、母の電動自転車がなくなっていることに気づいた。母が乗って出かけて、乗らずに帰ってきたのだ。どこに置いてきたかは、もちろん覚えていない。

近所をぐるっと探したら——灯台下暗し、近所のパン屋の前にあった

セカンドオピニオンで少し前向きな気持ちになれた日に、こんなプチ事件が起きるのが、認知症介護のリアルだなあ、と思う。笑えたから、今日は良い日だった。

まとめ:セカンドオピニオンを迷っている方へ

  • 説明をきちんとしてくれる医者かどうかは、長い介護生活の質に直結する
  • 診察の場では、患者本人がいない時間を作ると医者に本音を話しやすい
  • 病院を変えることへの罪悪感は不要。患者と家族の利益を最優先に
  • 「この先生に任せたい」と思える医者を探し続けることは、正しい選択

今回の新しい先生が、母と私たち家族に寄り添ってくれる存在であることを、心から願っている。

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